F1 イタリアGP M・シューマッハ優勝 そして 今季限りの引退を表明



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10年以上F1を観て来ましたが、これほどまでに絵に描いたようなドラマチックなレースを観たのは初めてです。感動しました。


ミハエルが所属するフェラーリにとっては母国グランプリとなる、イタリアのモンツァでのレース。

ポールポジションマクラーレンメルセデスライコネン

ミハエルが、ピットインのタイミングでライコネンを抜き1位に。

3位を走っていたチャンピオンシップ争いで現在トップのアロンソが、まさかのエンジントラブルでリタイア。

そのまま、ミハエルがトップのままチェッカーを受ける。

これによってチャンピオン争いがさらに激しくなる。1位のアロンソと2位のミハエルのポイント差は、わずか2ポイント!

サーキット全体が異様なほど盛り上がっていた。表彰台で喜ぶミハエルが、何かを悟ったような感じに見えた。

そして、優勝会見でミハエルが今期限りの引退を表明。


衝撃的すぎる…。


ここまで素晴らしい引き際を示したスポーツ選手が、今までに存在しただろうか?


F1の世界には伝説の王者、アイルトン・セナという人物がいた。しかし彼は、無念にも引退を表明することなくこの世を去った。セナがこの世を去ったその年、チャンピオンシップを制したのがミハエル・シューマッハである。若かりし頃のミハエルは度々、疑惑の残るレースをしている。故意の接触。出場停止処分。スポーツマンシップに欠ける行為。


そんなミハエルが変わり始めたのが、セナの残した勝利数41勝と並んでからだ。それからのミハエルの走りは常に冷静で、皇帝と呼ばれるに相応しい圧倒的な強さへと昇華した。2000年から2004年の間、前人未到の5年連続年間チャンピオンに輝いているのが、まさに強さの証である。


しかし2005年度のGPは、アロンソライコネンの2人の若手レーサーに上位を明け渡し、年間順位も3位に終わる。その頃から、ミハエル引退説が騒がれ始め、今日の発表により、2006年シーズンがミハエルにとってF1人生最後のグランプリになると、明らかになった。


元々、俺はミハエル・シューマッハというレーサーが、あまり好きでは無かった。人間味がなく、機械的なイメージが強いからだ。しかし、今年のミハエルには、強さの中にも焦りを感じることができ、テクニックにもミスが目立つ。


緻密で冷静な皇帝が、若手相手に苦戦している。そんなミハエルを見て、『有終の美』を飾ってほしいと、最近思うようになってきた。


ミハエルに残された使命は、今年度のチャンピオン争いを勝ち取ること。レースは残り3戦。否が応でも楽しみなレースになりそうだ!