雲のむこう、約束の場所



雲のむこう、約束の場所

新海誠監督作品の「雲のむこう、約束の場所」を見ました。前作、「ほしのこえ」が好きな人なら間違いなくハマると思います。終始繰り返される美しい映像と音楽にウットリ。こんな青春時代が自分にもあったら良かったのになぁ…。

前作は30分しか尺がなかったのが、今作はその3倍の90分と長編アニメ作品になってます。その分、退屈な時間も3倍に延びていたり…。説明台詞と、ただ、ただ音楽と背景が流れ続ける場面が多く、その部分を我慢して見れる人じゃないとこの作品はツライかな。ちなみに僕は、最後で号泣してしまいました(うぅ…

以下、ストーリーで気になったところなど。ネタバレあり。


・時間や場面が行ったり来たりするので、時間軸がわかりづらい。

・一番最初、数年後の主人公(ヒロキ)が出てくるシーンでの、ヒロキの悲しい表情の意味は何だったんだろう?

・ヒロキとサユリが夢の中で再開するシーン。手と手が触れ合って、夕日の光がドバァーッ!って広がるところで鳥肌が立った。

・言葉で説明せずに映像だけで表現している場面が多数存在。ボーっとしてると見逃してしまうので、張り付いて見てないとダメなのが結構厳しい。

・ご都合主義は、新海監督のお約束。にしても、世界が変わってしまう云々の出来事に対して、あれだけの人数しかオペレーションルームにいないのは何とも…(苦笑

・高校生のタクヤがタバコを吸ったり、車を運転したり、銃を懐に隠していたりするのは、ちょっとやりすぎよ。

・ヒロキがタクヤにヴァイオリンを聴かせるシーン。過去の回想(3人で土手を歩くシーン)で、再び鳥肌。タクヤもサユリのことが好きだったんだな〜。ホント、青春って素晴らしい。

・ヴェラシーラが飛び立つとこ、カッコよすぎ。バトルシーンは、スピード感バリバリ。でも、ちょっと短すぎだわ。もっと見たい。

・サユリが目を覚ました、ラストシーン…。ハイ、ここは泣くとこですね(号泣。

・クライマックス後の話は「ほしのこえ」と同様で、これっぽっちも用意されてないんですね。見ている側に結末を委ねるのは別に良いと思うけど、ちょっとあっさり終わりすぎなんだよなー。岡部さんがテロを起こす目的(信念)が一体何だったのか、イマイチわからんし。もう一山ほしかった。


・メインの二人(吉岡秀隆&萩原聖人)は声優としても違和感なし。南里侑香さんは、まさに名演。運昇さん、井上和彦さんのベテラン勢も光る。

・背景の美麗さ以上に、メリハリのある音楽の演出は素晴らしいの一言。音楽に感動させられてると言っても過言ではない。ヴァイオリンによるメインテーマが耳に着いて離れない〜。


以上、感想でした。ちょっと批判的なことも書いたけど、それはきっと新海作品が本当に好きだから。何であそこまで(良い意味で)青臭い脚本が書けるのか、尊敬に値しますよ。最近見たアニメ映画の中でも、ズバ抜けてオススメしたい作品の一つになりました。